衛星で見る福岡 / 観光・生活
英彦山に雪は降るのか
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↓ この数字が答えていないこと

この地図が答えていること/いないこと

13回の冬に53枚しか撮れず、そのうち雪が写ったのは5枚でした。地図は「いちばん白かった日」の1枚です。合成ではないので、いつの記録かがはっきりします。

いつの記録か ── 53枚の観測をぜんぶ並べます

下の各行が1つの冬(12月〜2月)で、点ひとつが1回の観測です。白い大きな点が、雪が写った回。点にカーソルを合わせると日付と積雪率が出ます。13回の冬で53枚しか撮れておらず、そのうち雪が写ったのは5枚だけだということが、これで見えます。

いちばん白かった日ですら、8割が雲でした

2022年12月26日は強い寒波が入った日で、山域の 5.98% に雪が写っています。ただしこの日の観測は、雲で 78.4% が撮れていません。5.98% は「撮れた2割の中での割合」で、雲の下がどうだったかは分かりません。いちばん良い日でこれです。

測ろうとしたものより、測れなかったもののほうが結果でした

13回の冬を通しても、雪が写るのは53枚中5枚。九州の低山では、そもそも雪がほとんど積もらない。そして観測を止めているのは雪の少なさより雲のほうです ── 冬の九州北部は曇りが多く、撮れた53枚も多くが部分的にしか見えていません。「積雪を測る」という最初の問いの立て方が、この土地に合っていませんでした。

「雪」の99%が水面だったことがあります

積雪指数(NDSI)は緑の光が短波赤外より強いところを雪とみなします。ところが水も短波赤外を強く吸うので、ダムや池が同じ条件を満たします。最初の計算で「雪」と判定された309画素を近赤外で調べたら、近赤外の中央値が 0.023(雪なら0.15以上、水なら0.05未満)で、99%が水面でした。近赤外の条件を足すまで、これは雪の地図ではなくダムの地図でした。

最初は13年の合成を主役にしていました

「13年ぶんの雪が観測された割合」を地図にしていましたが、それを見ても、いつの記録なのか分かりません。しかも雪が無いのが普通なので、中央値を取ると全域が同じ値になって何も言いません。英彦山で答えるべきは「どこに降るか」ではなく「いつ、何回撮れて、何回写ったか」という時間の話でした。主役を日付のある1枚と上の時間軸に変え、合成は切り替えで残してあります。

積雪の深さは分かりません

NDSI は雪があるかないかしか言いません。「膝まで埋まるのか、うっすら白いだけか」は区別できず、登山の判断に必要なのは後者の情報です。また衛星が見ているのは上から見える面だけなので、樹冠に覆われた登山道の雪は写りません。英彦山は森林の山なので、この制約はかなり効きます。

地域が結論を決めています

この結果は英彦山という土地の結果であって、積雪の測り方の結果ではありません。同じ手法を東北や北海道に当てれば、まったく違う絵が出ます。ここで得た「効くのは雪より雲」を全国に一般化してはいけません。

データと再現

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