福岡都市圏の駐車場43か所を、2017年からの晴れた日ごとに測りました。病院の駐車場は土日祝に3.3%暗くなり(平日に埋まる)、曜日を2000回入れ替えたどの場合よりも大きな差でした。10mでも駐車場の埋まり具合は写ります。ところが商業施設の土日の混雑は、偶然と区別できませんでした。
前回の測定で、航空写真を少しずつ粗くすると、車が地面と区別できなくなるのは 2.46 m/px でした。無料の Sentinel-2 は10mなので、1台ずつ数えることはできません。
ただ10mの画素1つには、駐車区画が4つほど入ります。車は多くがアスファルトより明るいので、埋まった駐車場は、画素の平均で見ると少し明るくなるはずです。そこで1台ずつではなく、駐車場全体の明るさ(青・緑・赤の平均)を、周り30〜150mの明るさで割って測りました。天気や季節で全体が明るくなっても、この比は動きにくくなります。
正解の代わりに、向きが逆の2種類を並べました。商業施設の隣の駐車場(22か所)は土日祝に埋まり、病院の隣の駐車場(21か所)は平日に埋まるはずです。天気のせいで明るさが変わっても、それが土日と平日で偏らなければ、2つが逆に動くことはありません。
予測は「商業は土日祝に +2〜+10%、病院は −2〜−10%、どちらも7割以上の駐車場でその向き」「火と木は ±1% 以内」でした。
病院は −3.3% で大きさは予測どおり。21か所のうちマイナスは13か所で、「7割以上」には届きませんでした。商業は +0.5% で、予測を外しました。火と木の比較は、商業 −0.3%・病院 +0.8% で、差が無いはずの比べ方としては予測どおりです。
晴れた日と「土日祝か平日か」の対応をまるごと2000回入れ替えて、偶然でどれだけの差が出るかを測りました。同じ日の駐車場は天気で一緒に動くので、日付ごとに入れ替えます。
病院の −3.3% は、2000回のどれよりも大きい差でした(入れ替えの範囲は −2.7〜+2.5%)。曜日ごとに見ると、病院の駐車場は月〜水がいちばん明るく、土日がいちばん暗い。平日に埋まり休日に空く、という形がそのまま出ています。10mの画素でも、駐車場の埋まり具合の差は写ります。
一方、商業の +0.5% は入れ替えの範囲(−1.8〜+2.0%)の中で、偶然と区別できません(p=0.19)。
Sentinel-2 が福岡を撮るのは、毎回午前11時10分ごろです。病院の外来は午前が混むので、平日のこの時刻は駐車場が埋まっていて、休日との差が大きく出ます。商業施設の土日の混雑が午後に寄っているなら、午前11時の差は小さくなります。これは確かめていない候補です。
店の種類で分けてもはっきりした型は無く(スーパー +1.0%・ホームセンター +0.2%・モール +0.8%)、同じ店の2つの駐車場が +9.7% と −4.2% に割れた例もありました。駐車場1つごとのぶれ(±5%ほど)のほうが、商業の土日の差より大きいということです。
2020年の緊急事態宣言(福岡県 4月7日〜5月14日)の間、商業の駐車場は他の年の同じ時期より −5.0% 暗く、22か所のうち17か所がマイナスでした。10年のうちで最も暗い値です。
ただ、同じ時期を年ごとに並べると、2017年 −2.8%、2022年 +3.1%、2026年 +5.6% のように何もない年でも ±3〜6% 動きます。この時期に駐車場が晴れて写った日は年に1〜5日しかありません。病院も2020年に −4.0% でしたが、2017年は −4.7% でした。1回きりの出来事を、5日ぶんの画像で言い当てるのは無理でした。
1台ずつ数えるには 2.5 m より細かい画像が要り、これは商用の高分解能衛星の領域です(トップページの壁1)。
今回わかったもう1つの線は撮る時刻です。無料の Sentinel-2 と Landsat は、太陽と同じ向きで回る軌道なので、福岡では毎回ほぼ同じ午前の時刻に撮ります。午後の混雑を見たいなら、別の時刻に撮る衛星が要ります。埋まり具合の差そのものは、10mでも写っていました。